LIZARD type-CHAOS
ROCK OF AGES 2006 Live at 新宿ロフト 2006.03.09


2003年9月以来、2年半ぶりのステージ。事前に「これが最後のライブになるかもしれない」とモモヨ自身が日記で触れていたのと、ブランクが長かったので一体どんなステージになるのか想像がつかなかった。
この場を提供したのは蜥蜴の遺伝子を持つ真性アンダーグランド・ゴス帝王(?)AUTO-MOD。

出演バンド
●AUTO-MOD
●恒松正敏GROUP
●LIZARD type-CHAOS


LIZARD type-CHAOS  set list
*OPENING S.E THEME(王国)
1. セレブレーション/穴居人
2. ガイアナ
3. マーケット・リサーチ
4. サ・カ・ナ
5. エイシャ(1980年version)
6. 王国
<アンコール>
7. ロック・クリティック

LIZARD type-CHAOS are...
MOMOYO(Vocal)
YUKINO(Guitar/Sound Producer)
MASA(Bass)
NAOKI(Drums)
アルバム『ジムノペディア』のイントロダクションで使われている『THEME』が場内に流れると一瞬緊張感が生まれる。これが最後かもしれないリザードのステージ。
ステージのスクリーンが上がると、今回初めて組まれたMOMOYO & THE LIZARD (type-CHAOS)の面々が姿を現した。向かって右からギターのYUKINO、イベント全体の音楽監督も務める〜ダークスーツにサングラスというシンプルないでたちのモモヨ、ドラムはNAOKI、そして左にサウスポーBASSのMASA。YUKINOは黒のツナギで、まさにLIZARD ARMYのままだ。
『THEME』がフェイドアウトするとモモヨが低く抑えた調子で囁いた、、、
  「蜥蜴の祝祭へ ようこそ」
『セレブレーション』になだれ込む。MASAのベースリフがうなる。暫くたってこのバンドの特徴の1つが、ギターをラウドにし過ぎないようにバランスをとっている点だと気付いた。その分、モモヨのVocalも聴きやすい。YUKINOのギターは、カツとも北川とも違うが線が細めながら力強さを感じさせる不思議なトーン。
間を置かずに2曲目の『ガイアナ』へ。1stアルバム収録versionに限りなく近いアレンジ。モモヨの調子は良さそうだ。ベースのMASAがダウンピッキングでビートにアクセントをつける。5人編成時のリザードの曲をシンセなしで演奏するにあたって、ギターのYUKINOはいろいろアレンジを工夫していて、この曲もその1つだろう。MASAは早くも汗だくで、いかにリザードのBASSがハードワークかがうかがえる。
そして、またメドレーっぽく曲をつなぎ、次の『マーケット・リサーチ』へ。そういえばリザードはド頭から中盤まで曲間を空けずに一気に演ってしまう、そんなステージが定番だった時期があったようだが、当時を知る人なら思い出されたのではないか。ラスト部分はYUKINO、MASAのコーラスも加わった。
3曲終わったところでメドレーは終わり、ただMCなどは入らず間もなくしてドラムNAOKIのディスコビートが鳴る。『サ・カ・ナ』のアルバム収録versionだ。この曲はアルバム発売前後(1980年秋)の時点では既にアレンジが変わっていたので、これを生で聴けるのは貴重かも。ここでもシンセがない部分をYUKINOのギターがうまくカバーしていた。そしてモモヨのパフォーマンスは、あの両手を広げる独特のポーズだ。
元々30分で予定されていたステージも終盤へ差し掛かる。サカナの次は『エイシャ』『LIZARD III』に収録されている方だ。モモヨの声に若干疲れが見えつつも、MASAとNAOKIのビートがグイグイ牽引し、最後の「絶望を追い出せ 哀しみを追い出せ 死の影を追い出せ 俺達の王国から」をシャウト。
そしてラストは『王国』。ベースの16ビートで始まる1stアルバム収録version。ギターはトレモロアームで音を揺らし空間系エフェクトで、オリジナルよりメランコリックな色に。途中、間奏明けのVocalの入りが何小節分か早かったため、ベースだけズレて、あの肝心のブレイク部分がキマるか危うくなったが、「死の国はもうすぐ. . .」で帳尻があってブレイク。
後奏ソロが始まると、モモヨは「バイバイ」と言ってステージを去り、残りのメンバーが演奏を続け、王国は幕を閉じた。
アンコールを求める「モモヨー」と絶叫するファンの声が響く中、まさかのアンコール。再びステージに戻って来たモモヨが「30年ぶりにパンクをやる」とだけ言って始まったのは、何と『ロック・クリティック』。これは驚いた。この曲はのちに『浅草六区』に変形したので、ライブで演るのは1980年以来ではないだろうか。興奮のうちに演奏はスタート。確かにパンクだった。難しいことは抜きにして、こういうモモヨのストレートなパンクが聴けるのは素直に嬉しい。ロック・クリティックを聴いた瞬間、これがモモヨ最後のステージであるワケがない、と確信した。あっという間の2分半でパンクとともに、この日のリザードは30分余のステージを終えた。
LIZARD type-CHAOSは、この日『ロボット・ラブ』『LIZARD SONG』『まっぷたつ』も用意していたようだ。これは次回2006年10月20日のライブでのお楽しみということで. . .。
(敬称略)

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