いきなり凄いタイトルです(汗)。
 前年(1980年)11月にヘロイン不法所持容疑で逮捕されたモモヨは、翌月には保釈される。年内は逮捕前からスケジュールが組まれていた幾つかのライブ「エクソダス!バビロン・ロッカー・ツアー」(12/24〜31)に出演し、年が明けて2月8日(日)に“事件”後初めて新宿ロフトのステージに立った。そのGIGの公式パンフレットにもなっている冊子が『Love.Sex & Death〜愛と 性と 死』。以下は『DOLL』Vol.3の紹介記事;

『Love.Sex & Death〜愛と 性と 死』

リザ−ドの小本。2月8日 新宿ロフトに於けるGIGのパンフレットでもあるこの小本は、先ずMOMOYOの「ありがとう」という言葉で始まり、メンバー1人1人のこれからのロックに対する意気込み、関わり方へと続き、SAVE MOMOYO委員会による。モモヨ逮捕とヘロインについて、リザ−ドの1つの転換期に節を付ける意味では、ばかにできない重要な小本ではないかと思う。


画像提供:前田直也さん(special thanks!)
パンフレットの表紙
 第一部「リザード・グラフィティ」ではドアーズやルー・リード、ジミ・ヘンドリックスのカヴァーに加えジャックスの『ラブ・ジェネレーション』が披露された。この曲は保釈後しばらくの間、ライブのレパートリーとして歌われたようだ。
 『蜥蜴の迷宮』第十章「叙情歌」(p.179〜)に、80年11月最後の夜に、モモヨが留置所で『ラブ・ジェネレーション』をアカペラで歌ったエピソードが書かれている(「この秋からよく口ずさむようになった・・・」と述べている)。同じ留置所の三浦という男が歌った『別れの朝』という歌謡曲に心を揺り動かされ、“うた”というものを再認識する場面だ;
    三浦の歌は、そのまま、人間にとって歌とは何であったか、という問いかけでもあった。私は初めて本当の歌を聴いた、と思った。少年の日々、ブルースこそ真の歌だ、と理屈をこね、数年前、自分にとってロックとは歌だったと本気で考えもし、数カ月前には、新時代の愛唱歌をつくるのだと意気さかんにセカンド・アルバムのレコーディングまでしている。その私が、その実、歌の力を知らなかった。何という道化だろう。・・・
 この後「ロック歌手!歌え!」という声に押されてモモヨは『ラブ・ジェネレーション』を歌うわけだが、三浦の歌を聴いた後では私のゆえのないホコリはもはや完膚無きまでにはぎ取られていたのだ。・・・と告白している。

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