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これは我々が東京Rockersと呼んでいるバンド群のGIGと、インタビューを中心に構成されたドキュメンタリーフィルムである。 CHANGE 2000では、この映画のプロデューサーである津島氏に、直接この映画について語ってもらった。 ◆ ◆ ◆
C - CHANGE 2000
T - TSUSHIMA |
C - Rockersと接することになった直接のキッカケは? T - えーと、去年ですかね。S-KENスタジオの山浦氏と友達だったので、彼のところへあそびに行ったら、たまたまコンサートやってんでチラッと耳にしてね。それまでぜんぜん知らなかったし、S-KENスタジオでコンサートやってるのも、知らないで行ったんだけど。それで山浦さんに彼らのテープをもらって……。 C - じゃあ、フィルムにとることにしたのはどうして? T - ボクはTV関係だったり、カメラの奴はドキュメントとってたり、他の仲間は音楽関係だったりして、みんなそれぞれ仕事でやってたんだけど、どこかにうっ積してるものがあったわけ。みんなひっかかっているモノが、何かずっとあったんだよね。それで…もともとこういうオトすきだったし、PUNKということじゃなくてね。ロックということですごくおもしろいと思った。こういう形で東京にバンドがでてきて自分たちでプロデュースしていくのって、今まであんまりなかったんだよね。下の方から資本や組織の力でなく出てきたパワーってなかったでしょ。とういう形になっていくかわからなかったけど、彼らのドキュメンタリーを作ってみようと思ったね。 C - この映画でそういったシーンをあらわせたと思いますか? T - あらわせてると思いますよ。そう思わなかったらやらないよ。 C - フィルムをとる…という作業をとおして彼らに接してみてあなた自身変ったところ、もしくは彼らから得たものというのはありますか? T - 得たものっていうんじゃないけど、今までRockに体して思っていたことの再確認をやったみたい。彼らが新しいとか古いとかいうんじゃなくて、Rockっていうのは基本的にはどういうものなのかという再確認をやったっていう気がするわけ。特別かわったってことはないね。 ![]() C - じゃあTVやラジオで通常流れているRockは、それ本来の基本的なものをなくしてしまっている…というか、あなた自身そういったものいごこちの悪さ…みたいなものを感じていたわけですか? T - うーん、僕のスキキライのレベルではキライなものが多くなりすぎちゃってるということはあった。基本的にRockはこうでなきゃってのは僕の中にはあるけれど、形はどうでもいいわけよ。逆にどういう形でもいいはずなのに一つの形になっちゃってるじゃない。TV局にいると痛感するよ。そういうこと。芸能マフィアみたいのがいるわけだし。広くてもともと形なんて決められるはずのない音楽をひとつの形につくりあげてしまうのは良くないね。そんなのだけじゃ生きてけないよ。Rockっていうのは、そういうのもRockersみたいなのも全部含まれてRockなのに、一部の資本とかが動かしてるじゃない。ウラで操作してるじゃない。Rockersの連中にしても僕たちはもっとPUNKっていうか過激でもいいと思ってたの。カメラけとばしたり、レンズ割られたりムチャクチャやると思ってたんだ。でもそういうことなかったのね。それではじめは、これやイカンナと思った。こっちのエネルギーと開いてのエネルギーがびっちりケンカしないとおもしろくないと思ってたんだ。でも撮ってるうちに変わってきたよ。逆にそれを確認するっていうふうにやり方を変えていったわけ。 C - どのへんにポイントをおいてつくっていたの? T - 彼らをどこのバンドとしてじゃなく、一つのパワーとしてどういうふうにとらえるかってこと。それぞれのインタビューとかぜんぶかさなりあって、彼らのコトバのうらから東京っていう都市がどれだけでてくるかってこと。彼らに働いてるところをとらせろとらせろって言ったのは何でかっていうと、働いてるにしろ何にしろうしろに東京があるわけでしょ。彼ら東京に生きてるんだし。そういうのがはっきりでてくれば…。 ![]() C - この映画は誰に向けて作られたものなの? T - これはカンタンだな。全員。要するに誰にでもみてもらいたい。じつはフィルムの一番はじめのところで人間の名前がズラーッとでてくるでほ。君たちにささげるって。あれはクランクインしてからクランクアップするまでの間に自殺した小中高生なわけ。35人いるんだけどほんとは110何人いるんだよな。新聞で生がわかるだけであれだけいるわけ。だから若い人間、子供たちに見てもらいたい。あと、こういう状況を作りだした人間たちにも。 C - どうしてストラングラーズがこの映画にでてくるの? T - 世界もそんなに状況は変らないと思うんだ。彼らのうたの中で東京のことをうたったのがあって、それが実に日本のことうまく言ってるわけ。いわゆるパンクってあまり聞かないんだけど彼らは聞いてた。それで興味もってたらたまたま来ることになって、個人的に話したかったんだけど、リザードなんかを通して東京のRockerたちとつながりのあるバンドじゃない。彼らの、東京のRockの存在を知っている唯一の外国Rockバンドなわけじゃない。別にアイドルってわけじゃなくコンタクトのとれてるって意味で。だから彼らの状況とこっちの状況と比較するって感じでやりたかったんだけど、あまり時間がなくて話せなかった。東京のRockerたちの映画をとってるっていったらOKしてくれた。それで撮ったんだ。 C - この映画はどういったルートで公開していくつもりなの? T - 全部自主上映です。スポンサーなくて借金して作ったんだけど。完全なプライベートフィルム。それにストラングラーズとも約束したんだ。絶対金もうけに使わないってことをね。 C - あれを見た人の中から何らかのリアクションが生まれると思う? T - 生まれてほしいと思ってます。 - END - ◆ ◆ ◆ ![]() |