last update 2001. 11. 5


自主制作アルバム『3/3』全曲解説
『3/3』 LLX 2309-10 (1975)

レコーディング・メンバー:
 ・ЯECK(ギター、ヴォーカル)
 ・ヒゴ・ヒロシ   (ベース)
 ・CHIKO-HIGE  (ドラムス)

A-1)きかいのうた 9’16” フェイザーがかかったЯECKのディストーション・ギターで始まる。いわゆる旧来型の“ロックン・ロール・タイプ”で、ハードロックの要素が感じられる。演奏自体、取り立てるほどの独自性は感じられないが、ジミ・ヘンドリックスあたりの空気が漂う(『パープル・ヘイズ』のイントロと同じコードを使っているから無理もない・・・)。間奏(ギター・ソロ)も長く、ニュー・ウェイブという感じではない。唯一、ボーカルが“翔んでいる”のが印象的だ。ボーカル部分は非常に少ないが。
 それから歌詞については後のFRICTIONで演奏する『CYCLE DANCE』の元になっている。
    エンジンフカシテ  モーターマワシテ
    Oh アカイスウィッチ  シロイスウィッチ
    Yeah ウゴキダス
    ミギカラヒダリヘ  マエカラウシロヘ
    ウエカラシタヘ  ウラカラオモテヘ
    Hey ウゴキダス
    Wow wow wow wow wo wo wo wow
    エンジンフカシテ  モーターマワシテ
    Oh アカイスウィッチ  シロイスウィッチ
    Yeah ウゴキダス(×3)


A-2)ジャンプ   7’00” −スピード感のあるナンバー。ベースはひたすらワン・フレーズをくり返す。最初はギターとユニゾン。そして徐々にギター・ソロが展開する。ドラムのHIGEが本領発揮といった感じで叩きまくる。この辺は後のFRICTIONにも通じるところがある。ベースが結構かっこいい。インストゥル.メンタル。

A-3)いつも    5’22” −ますますギターがヘヴィなリフを繰り返す。今度はボーカルが入っている。ハード・ロックの中にも後のニューウェイヴを感じさせるものがある。スピード感があり音がソリッド。音が塊になって飛んでくるといった感じ。ЯECKのヴォーカルはシャウト気味。ただし殆ど聞き取れない。やや無理があるが『COOL FOOL』に通じるものが微かに感じられる。

B-1)くものなか  6’03” −『WILD THING』みたいなギター・リフで始まる。ЯECK独特の翔んだボーカル・スタイルが聴ける。

B-2)とんでけ    3’50” −HIGEのシャープなドラムで始まる。3コード・ロックンロール・タイプでポップなメロディーを持つ。サビで「マイニチ マイニチトンデケ〜」と叫ぶ。2回目のサビの部分で初めてコーラスらしきものが聴こえるが定かではない・・・。
    ア アアアア  イ イイイイ
    マイニチ マイニチトンデケ
    ウ ウウウウ  エ エエエエ
    マイニチ マイニチトンデケ
    Hey マイニチ マイニチ トンデケデケデケ・・・



B-3)まどあけて  5’20” −ЯECK節のボーカル以外は普通のロック・ナンバー。曲全体に占めるギターソロの比率が高いのでやや退屈。
    Oh マドヲアケテ oh カオヲミセテ
    Oh マドヲアケテ oh 中に入れて
    アト3プン アト1プン
    Oh デンキヲツケテ ハヤクアタマヲテラシテ
    Oh デンキヲツケテ oh ソコヲテラシテ
    アト3プン アト1プン
    Oh マドヲアケテ ハヤクコエヲキカセテ
    ???ヲサワリ oh オレニサワッテ
    アト3プン アト1プン

      <ギターソロ>

    Oh マドヲアケテ ハヤクコエヲキカセテ
    ハヤクアナタヲサワッテ oh オレニサワッテ
    アト3プン アト1プン



B-4)ながされて  7’21” −初めてスローな曲になる。マジメに(笑)歌って聴かせるタイプのようだ。「白い煙に乗っかって・・・風に吹かれて、流されて〜」。スローなバラード調だがメロディ・ラインがキレイという感じではない。
    ah シロイケムリニ ノッカッテ
    ah シロイヒカリニ テラサレテ  ah ソラノウエ
    カゼニフカレテ  ナガサレテ  カゼニフカレテ  ナガサレテ
    アオイケムリガ タダヨッテ
    アオイヒカリヲ アオギハジメ  oh ウミノウエ
    カゼニフカレテ  ナガサレテ  カゼニフカレテ  ナガサレテ



*総評:曲がよく練られていない上に「ヴォーカル→長めのギターソロ→ヴォーカル・・・」というハード・ロック・スタイルをとっているため退屈になってしまう曲が少なくない。ЯECKのギターはヘヴィでカッコイイのだが、のちにFRICTIONで見せるBASSプレイでの圧倒的なオリジナリティと比較してしまうとやや物足りない。

*トラック・タイムは必ずしも正確ではありません。
*ヴォーカル・トラックが不鮮明なため聴き取った歌詞は
 必ずしも正確ではありません。
*album jacket photo:『3001 Record Collector Dreams』Hans Pokora (2001)
★SPECIAL THANKS TO ubudさん(音源&情報提供)

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