『MOTH-LAH(モスラ)』 (日本コロムビア/YW-7415)
THE UNLIMITED DREAM COMPANY. Featuring NUTS.
リリース 1983.7
収  録  曲
SIDE A-1 MOTH-LAH I (モンスターサウンド) (2:13)
A-2 MOTH-LAH II (モスラの歌) (2:43)
A-3 STONE CIRCLE(砂海渡航) (4:42)
.
SIDE B-1 GREEN ISLANDS (5:20)
B-2 WAR DANCE(戦闘舞踊) (3:58)
B-3 MOTH-LAH(Introduction) (0:10)
THE CAST
Vocalist RIEKO
Poly6 Pianica Player KATSUHIKO AKIYAMA
Except Poly6 Pianica Player
and
All the Instruments
MOMOYO
Producer MOMOYO

    「夢の復活を願い、希望の新生を求むる、そんな祈りにも似た思いから、このモスラは出発した。〜」
  • LIZARDが三部作を一応、完結させた後にリリースされた作品。RIEKOという女性ヴォーカリストが登場するが紛れもないモモヨのソロ作品。
     アルバム全体はモモヨが得意とするコンセプトもの。小説や映画などある題材(テーマ)を用いて1枚のサウンド・トラック的作品を作りあげる手法はこの後も続く。今回の題材は「モスラ」。日本的である。動機は“単に面白そうだ”という理由だと解説している。単にモスラのテーマ音楽を今日的なエスニック(民族音楽風)感覚にアレンジして演奏する事が面白そうだ、ということでライブで披露したところ強烈な反応を巻き起こして話題になったという(詳細は不明?)。
     肝心のサウンドは後に7インチで発表するソロ三部作に近く、打ち込みリズム・ボックスに漂うシンセサイザーが中心。いわゆる“エスニック・ミュージック”の類いではないので、それほどエスニック色が強いわけではない。
     モモヨ・オリジナルの歌詞はA-3『砂海渡航』B-1『GREEN ISLANDS』の2曲。歌詞には南方に夢見る島=インファント(幼年)島、というモスラの世界が繰り広げられており、『王国』を演っていたころのLIZARDと別の世界が見えると同時に共通するものもある。この「ユートピア=幼少」という世界は、モモヨの音楽キャリアの出発点となる通底器というユニット名の起源であるアンドレ・ブルトン、彼の『シュルレアリスム宣言』の冒頭、「〜幼年時代は彼にとって、やはり魅惑にみちたものと思えることにかわりがない〜・・・〜人間はそんな幻想の中に根をおろす。〜」に通じるものがある、なんて深読みしなくても幼少期への憧憬は誰もが一度は抱くもの(?)。
     ちなみにB-2『WAR DANCE(戦闘舞踊)』は英語の歌詞だが、この点についてモモヨ・ソロ三部作の第2作目『虚空遍歴(ソラメグリ)』(録音:1983年6月)のライナーで解説されている(以下、抜粋);

     83年の夏、僕は『モスラ』というミニ・アルバムに『WAR-DANCE』という曲を発表しているが、当時、つまらぬ契約上のトラブルから、ヴォーカル、それも日本語の歌を収録できなかった。その春、そうした桎梏(しっこく)の季節、僕は谷中あたりを歩きながら、しきりに西行や芭蕉の生を思ったものだ。タイトル曲(注:A-1『虚空遍歴』)はそんな心境に由来する。〜

     なおモモヨ氏のサイトBabyloNiC StuDiOにて、今作品の延長線上にある未発表作『Adventure』の音源が公開されています。

    ※A-2, B-1は曲名の部分をクリックすると歌詞のサイトが開きます。

蜥蜴の雨やどり(HOME)
モモヨ作品集INDEX

webmaster: space_ape